申請1つで簡単にできる節税対策として、子供を妻の扶養に変更すると税金が安くなることがあります。
実は、税金上の扶養は子供を夫婦どちらの扶養にするかを自由に決められます。税金上は子供を夫の扶養ではなく、パートの主婦の扶養にも入れることができるのです。
ダブルワークで働くパート主婦は仕事の掛け持ちゆえに住民税がかかっていることも多いですが、もし対象となる子供がいたら住民税を安くできるかもしれないチャンス!
条件によっては、過去をさかのぼって還付金をもらえる場合もあるのです。もちろん、ダブルワーク以外のパートやフルタイムの主婦にも当てはまるのでよかったらご一読くださいね。
- この記事はこんな人におすすめ
- ・16歳未満の子供を持つ家庭
・妻が住民税を払っている
・妻より夫のほうが所得が多い
・保育料を安くしたい家庭
\ この記事を読むとわかること /
- 子供をパート主婦の扶養に入れると住民税が安くなることがある
- 手続きは申請1つで簡単にできる
- 子供の年齢、夫の会社のルールなどの注意点がある

ちなみに、私も以前この申請で払いすぎた住民税が戻ってきました。(体験談を先に読みたい人はこちら)
住民税はいくらからかかるの?という人は働き損ゾーンを避けたいパート主婦必見!知って損なし収入の壁をどうぞ♪
子供を妻の扶養に変更するとどんなことが起きメリットがあるのか、注意点なども含め紹介していきます♪
子供を妻の扶養に変更したら住民税が安くなる
※これから解説するのは税金上の扶養についてです。
社会保険上の扶養はのちほど説明するので、いったん頭の片隅に置いてお読みください。
ずばり! 以下の3つを満たす場合、可能であれば子供を妻の扶養に変更するのがおすすめです!
- 妻が住民税を払っている
- 16歳未満の子供を持つ家庭
- 妻より夫のほうが所得が高い
住民税が安くなるのは家計にうれしい節税対策♪
『可能であれば』という前置きには一部例外があるためです。
例外については子供を妻の扶養に変更!チェックしたい5つの注意点で解説しますね(先に読みたい人はクリック)
どうして子供を妻の扶養に変更すると住民税が安くなるの?
住民税や所得税には扶養控除といって、子供などの家族を養っている人の税金を免除にしたり、安くできるしくみがあります。
控除が多いほど払う税額を減らすことができますが、養っている子供の年齢によって扶養控除の金額が違います。
年齢 | 所得税の扶養控除 | 住民税の扶養控除 |
---|---|---|
16歳未満(0~15歳) | 0円 | 0円 |
16歳~18歳 | 38万円 | 33万円 |
19歳~22歳 | 63万円 | 45万円 |
23歳~69歳 | 38万円 | 33万円 |
70歳以上(独居老人等) | 58万円 | 45万円 |
70歳以上(そのほか) | 48万円 | 38万円 |
上の表では、16歳未満は住民税・所得税ともに扶養控除額は0円です。
なので夫婦のどちらに16歳未満の子供を扶養にしても、税額は変わらないように見えます。
実際、所得税は16歳未満の子供なら夫婦のどちらの扶養にしても税額は変わりません。
しかし、住民税には非課税限度額という制度があります。
- 所得や扶養する人数に応じて、住民税が全額免除、または一部免除になる
(均等割・所得割がかからなくなる、または所得割のみかからなくなる) - 限度額は市町村ごとに決めていてばらばら
※住民税は均等割と所得割の2種類あります。
均等割
すべての納税義務者に均等に発生。税額は市町村にもよるが5000円前後。
所得割
所得に応じて発生。税額は所得によって変動あり。
【例えば東京23区の場合】
・前年中の合計所得金額が下記の金額以下→均等割・所得割どちらも発生しない(住民税がかからない)
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円 以下
・前年中の総所得金額等が下記の金額以下→均等割のみ発生
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数) +42万円 以下
市町村によって計算式の内容は違いますが、この住民税の非課税限度額を使えば住民税がかからない、または安くできる場合があります。
お住まいの市町村の計算式を確認してみましょう(実際の筆者の体験談はこちら)
※非課税限度額制度はこのほかにもさまざまなケースがあるのですが、子供を夫の扶養から妻に変更するときに当てはまりそうなもののみ抜粋して紹介しました。
子供を妻の扶養に変更するときのQ&Aと注意点
気になる疑問と注意点についてまとめていきます。
子供を妻の扶養に変更するメリットとは?
子供を妻の扶養に変更するメリットは主にこの2つです。
- 妻の住民税が安くなる
- 結果的に世帯全体の住民税が下がるので保育料が安くなる
住民税が安くなるのは家計にとって大助かり。住民税が安くなることで、保育料を決める基準となる金額も下がり、保育料が安くなる場合もあります。



浮いたお金で、レジャーや欲しかったものを買うなどのお金の使い道を考えるとわくわく★
保育料が安くなれば、今まで通り預かり保育の延長や
給食代などを払っても金銭面の負担が軽くなる♪
他にも保育料を下げるために、おすすめなのは個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の活用。保育料減額・節税対策・資産運用3つのいいとこどりができます。
子供を妻の扶養に変更する方法は?
住民税を決めるのはお住まいの市町村なので、市町村の税担当に申告しましょう。



子供を妻の扶養にすることで住民税がどうなるか、わからなくても大丈夫!
市町村窓口で、子どもの扶養は夫婦どちらが得か相談したり、税額を試算してもらうことは可能なのです!
【用意するように言われたもの】
・源泉徴収票(該当年度のもの)
・本人確認書類(免許証・マイナンバーカードなど)
・印鑑(認印)
源泉徴収票は該当年度のものが必要でしたが、以前確定申告したときに提出したので手元にありませんでした。
会社には源泉徴収票の発行・再発行が義務付けられているので7年前のものまで再発行してもらえます。
私の場合郵送してもらえましたが少し時間がかかったので、あらかじめ必要かどうか確認して早めに取り寄せるのがベストです!
源泉徴収票の年度を間違えないように気を付けましょう。
子供が16歳以上の場合はどうする?
子供が16歳以上の場合は年収の高い夫の扶養に変更の申告をしましょう。
なぜなら16歳以上の子供は扶養控除の対象になります。
夫のほうが年収が高ければ税率も高いので、税金上お得になることが多いです。
また、税金上の扶養では、子供が複数いる場合その扶養を夫婦のどちらに選んでも問題ありません。
兄弟がいる場合は
16歳以上の子供は夫の扶養
16歳未満の子供は妻の扶養などというように、子供の年齢で夫婦の扶養を分けることができます。



わが家も今のまま働き続けて、私(妻)の所得が夫の所得を超えないなら、上の子が16歳になったときに夫の扶養にする予定です!
社会保険の扶養はどうなる?
子供の税金上の扶養を妻に変更しても、社会保険上の扶養は変わりません。
社会保険上の扶養は、基本的に健康保険組合に決められています。
子供を所得の少ない妻の扶養を入れたい!などと言っても簡単に変更することは難しく、一般的に子供の扶養は収入が多い夫のほうに入ることが多いです。
子供を妻の扶養に変更!チェックしたい5つの注意点
これまでの話から、子供を自分の扶養に入れたい!と思ったひとも多いはず。
ても、ちょっと待ってください!
子供を妻の扶養に変更するときにチェックしたい5つの注意点があります。
①子供の年齢が16歳未満か
もし子供の年齢が16歳以上ならば、扶養控除の対象になります。
その場合、所得の多いほうが税率が高いので、一般的に所得の高い夫が子供を扶養するほうが税金上お得になります。
②妻が住民税を課税されていない
もともと妻に住民税はかかっていなければ、子供を妻の扶養にしても意味はありません。
そもそも住民税がかかっていないのに、さらにマイナスにはできません。
③夫の会社のルール
会社ごとに扶養手当や家族手当が支給されている場合、税金上の扶養を妻にすると手当をもらえなくなることもあります。
扶養手当や家族手当は会社の独自のルールがあり、手当が減額・なくなるケースも考えられるので確認必須です!
④さかのぼって申告するのは5年間の期限がある
収入があった年の翌年1月1日から5年間はさかのぼって申請できます。
それ以前はできないので注意しましょう。
⑤確定申告時期を過ぎても還付申告は1年中できる
税金が戻ってくる還付申告は、確定申告の時期以外でも1年中いつでも申告できます。
確定申告時期を過ぎていても5年以内なら還付金がもらえる可能性があります。
過去のことで記憶があいまいなときはダメもとで市町村に問い合わせてみましょう。
私は毎年自治体の窓口で確定申告をするので、それと同時に子供の扶養を夫から妻に変更しました。



ダブルワークでサブのパートは住民税の申告が必要になる!
確定申告の時期の自治体窓口なら申告ついでに扶養変更もできるのでおすすめです
市町村での試算や夫の会社に確認をしつつ、子供を夫婦どちらの扶養にすれば世帯全体の収支でお得になるか考えましょう。



特に③の夫の会社のルール!
手当が減額・なくなるのよりも子供を妻の扶養に入れたほうがメリットが大きいのかは各会社の規定にかなり左右されます。
確認せずに子供を妻の扶養にして、あとからバレてもめたりするのは避けたい……!
体験談・子供を妻の扶養に変更したら払いすぎた住民税が7万円以上戻ってきた話


私は今の会社に勤めて今年で5年目、その間毎年住民税がかかっていました。
私には中学生と小学生の子供が1人づついます。
子供たちは生まれてからずっと税金上の扶養は夫でしたが、住民税の非課税限度額を知り今年の確定申告で子供の扶養を私(妻)に変更しました。
結果、住民税がかかっていた過去3年分をさかのぼって、子供の扶養を夫から妻に変更すると差額の住民税が戻ってきました。
その金額なんと約73,000円!



税金上、子供を私の扶養に入れても夫の税金は変わらなかったので結果としてかなりのプラスになりました
参考として、過去3年分の内訳を紹介します。
子供の扶養を夫から妻に変更して税金が戻ってきたケース・筆者ちゃまの場合
・子供2人(どちらも16歳未満)を夫の扶養から妻の扶養に変更
私の住む市町村での計算式は下記の内容。
所得割・均等割が発生しない限度額
合計所得金額が
28万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の数)+27万円 以下
所得税が発生しない限度額(均等割のみ発生)
総所得金額等が
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の数)+42万円 以下
【平成30年度の場合】
所得割・均等割が発生しない限度額以下
28万円×(本人→私・扶養親族→子2人の合計3人)+27万円=111万円
限度額111万円>所得金額105万円 なので子供の扶養を妻に変更すると住民税は0円になる。
※計算上、所得税が発生しない限度額以下にもなるが、どちらも当てはまるときは税額が低くなる方を優先。
【平成31・令和2年度の場合】
所得税が発生しない限度額以下
35万円×(本人→私・扶養親族→子2人の合計3人)+42万円=147万円
限度額147万円>所得金額108万円 なので子供の扶養を妻に変更すると住民税は均等割のみの5,000円になる。
年度 | 年収 (所得金額) | 住民税 (子供の扶養は夫) | 住民税 (子供の扶養を妻に変更後) | 子供の扶養を夫→妻に変更した差額(還付金) |
平成30年度 | 約160万円 (105万円) | 32,000円 | 0円 | 32,000円 |
平成31年度 (令和元年度 ) | 約180万円 (108万円) | 11,000円 | 5,000円 | 6,000円 |
令和2年度 | 約180万円 (108万円) | 39,500円 | 5,000円 | 34,500円 |



過去3年分の住民税の差額が戻ってきて、還付金は総額約73,000円になりました
現年度以前の申告をするときは5年より前の税金をさかのぼって申告できません。
また、住民税は戻ってきますが、保育料については現年度分しか戻らない市町村もあるようです。
つまり、子供を妻の扶養に変更しても問題ない人なら善は急げです。
お早めに申告しましょう!



私は毎年自治体の窓口で確定申告をするので、それと同時に子供の扶養を夫から妻に変更しました
申告と扶養変更は自治体窓口でできればいっぺんに済むのでおすすめです!
年末調整や確定申告についてはダブルワークのパート主婦必読!年末調整・確定申告のやり方まとめで解説しています。


まとめ・子供を妻の扶養に変更すると節税になる!例外もあるので注意
子供を妻の扶養に変更すると以下のメリットがあります。
- 妻の住民税が安くなる
- 結果的に世帯全体の住民税が下がるので保育料が安くなる
しかし誰にでも当てはまるわけではなく、例外もあります。
例外
- 子供が16歳以上
- 妻に住民税がかかっていない
- 子供を妻の扶養に入れると夫の会社の扶養手当などのルールにひっかかる
還付申告は5年間、確定申告の時期以外にも通年でおこなっています。ダブルワークのパート主婦はサブのパートの確定申告をするかと思うので、そのときに一緒にするのが楽かもしれません。



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